三味線日和

津軽三味線教室【珠の音会】会主澤田成珠(さわだなるみ)のブログです。

» Font Size «

アーカイブ: 2012年03月03日(土)

 第9回文化庁「文化交流使」活動報告会に行ってきました。
師匠の澤田勝成先生は平成23年2月20日~平成23年3月20日まで、文化交流使として中国で活動してきました。日頃、お話は伺っていましたし、凱旋ライブの際は、珠の音会もお世話になりました。
 
報告会では、8名の先生方の講演、実演、パネルディスカッションがあり、大変興味深いお話が聞けました。
 
俳人の黛まどか先生のお話はわかりやすく、ユーモアがあり、時間が経つのも忘れて聞き入ってしまいました。「型」の重要性のお話は日本文化には共通のことであり、海外で理解してもらうための工夫や大型ワークショップの開催など、精力的に活動したことが伺えました。そして、活動報告書の中に次のような言葉があり、感銘を受けました。
 
「日本の伝統文化は引き算の美学の上に成立する。言わないこと、省略することによって育まれる余白の豊穣を、私たちは忘れてはいないか。物欲は次の物欲を生むだけで、決して充足感を与えてくれない。」
 
帰りに著書の「引き算の美学」を購入しました。
 
囲碁棋士の安田泰敏先生は7カ国の学校、障碍者施設を訪問し、体験談は友愛と慈しみの心を感じました。先生の人柄と心のあり方が、人々の心を開いていったのではないかと感じました。
 
書道家・刻字家の薄田東仙先生がパネルディスカッションの中で杉原千畝領事のお話をされていました。イスラエルの大学で先生の講座を受講するきっかけが、母を助けてくれた国の人はどんな方だろうと思って応募したとのことでした。イスラエルの人たちの思いが伝わってくるようでした。
 それぞれの専門分野を生かした、講演、実演は感動と刺激を与えてくれました。
実際に世界の人々と交流してきた、先生方は視野が広く、生き生きとしてみえました。